ネットワークを活かした社会貢献:沢田裕之

ボランティア後進国の現実に対応

日本は欧米諸国に比べボランティア文化の歴史が浅い。特に災害支援にはまだまだ多くの問題があり、残念ながらボランティアとは名ばかりの人たちも見られる。例えば、阪神・淡路大震災での被災したの談話には、「観光気分で来た自分探し」「被災者が食うべきものを食い、被災者が飲むべき水を飲み、被災者が寝るべきところで寝る」と憤りを隠せない発言も見られた。

実際、ボランティアとして被災地に出向く際には、高度な自己管理能力が必要となる。被災地での過酷な現実に向き合うセルフコントロール力、自分の健康は自分で管理するセルフメディケーション力(セルフケア力)など、まずは現地の人に迷惑をかけない体制を自身でつくらなければいけない。

名古屋を中心に活動する沢田裕之氏は、こうした日本におけるボランティア活動の問題を感じ、誰もが無理なく社会貢献ができる仕組み作りに取り組んでいる。

支援をする側と受ける側のギャップを埋めるサポートを

ボランティアとして適切な活動をするのは、個人ではかなり難しい。災害ボランティアでは特にそうだ。

沢田裕之氏はMLM(Multi-Lifesaving Method/マルチ・ライフセービング・メソッド)の考え方に基づいた支援ネットワークの構築を模索している。被災地が必要とする支援をケースバイケースで把握し、ボランティアサイドが提供できる支援とのマッチングをするためのサポートだ。一人ひとりが社会に貢献するという意識を持って、自分に出来ることを行うことに真の意義があるとの理念のもと、ボランティア活動が社会を持続的、発展的に行える支援の仕組みにしたいと考えている。ネットワークを活かした情報収集や、ビジネスとして展開するビジョン、さらにマルチな人材を集めることによる多彩な支援体制の完成を目指している。

近く必ず発生すると言われる東海地震をはじめ、世界各地で起こる自然災害の現場で、彼らの活動が被災者に適切な支援を差し伸べる一助となることを期待する。